「うまい!」「早い!」「安い!」の時代は終わった。これからは、「すご~い!」「キレ~イ!」「行ってみた~い!」|葉山の人気カフェ CABANからみる、インスタ時代の新しい消費価値。

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こんにちは。
オンラインプロ家庭教師の旅する教育者です。

今日は少し毛色の違う記事を。

先日、「一度は行っておいたほうがいいよ!」とのことで
葉山にある人気オシャレカフェCABANに行ってきました。

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平日の14時頃に到着しましたが20人ほどの並び。
さすが人気店。

30分ほどの待ちで店員さんに呼ばれて店内へ。
さすがのオシャレ感。
これはたしかに並んでも来たくなるよなー。

しかも運良く海側の席が空きました。
最高の景色。

ただ、ラッキーと喜んでいたのはここまででした…。

想像してみてください。
炎天下。気温は35度近く。
クーラーなし。
直射日光はんぱない。
強風のように吹き荒れる風。
容赦なくジリジリと照りつける太陽。

結論。

死んでしまうわ!!!

ハッキリ言ってここは真夏の昼間に来るところではないです。
特に海側の席は地獄。

テーブル席は料理の注文がマスト。
(デザートはダメ。料理注文しないと芝生席)
その料理の種類もたったの3種類。
(その日だけだったのかも)

ローストビーフサラダ 2500円
シーフードサラダ   2300円
カレー        2500円

たしかこんな感じ。
味はいたって普通。
コスパはお世辞にもいいとは言えない。

なぜそれなのにこの店はこんなにも流行っているのか。
リピーターより新規がたくさん来ているからなのか。

生ぬるくなったビールを片手に
もうろうとした頭で考えてみました。

他人の目のなかで自分の人生を生きている人々

人のことは言えませんが、とにかく目立ったのは写真を撮る人の多さ。

そして、撮る直前まではなんとも微妙な表情をしている方たちが、
いざ写真を撮るとなった瞬間に見せるはじける笑顔ったら!

この光景にとてつもない違和感を覚えたわけです。
なんでこんなにも無理してるように見えるんだろう?と。

そこでふと思いました。

従来のように、目の前の価値を消費
するだけならここで得られたものは
以下の様なものしかなかったはず。

・お昼時を外したのに行列に並んだ体験(マイナス)
・オシャレな内装(プラス)
・素晴らしい景色(プラス)
・高いランチ代(マイナス)
・値段の割にいたって普通なランチ(マイナス)
・照りつける直射日光(マイナス)
・暑い。ひたすら暑い。(マイナス)

こう見ていくと自然と導かれる結論は「リピートはないな」のはずなんです。

ですが、facebookのみならずインスタが全盛のこの時代では

いかにいい写真が撮れたか?
いかに人から羨ましい~!と言われる写真が撮れたか?

によって、目の前の価値以外に、

SNSから得られる他者からの賞賛や憧れという価値を消費する

ことで目の前のコスパの悪さを補っているんだと思いました。

いわば、他人の目から見えるSNS上の自分像を着飾らせることで
自分自身を満足させるような感覚。

では、見栄えの良い写真が撮れれば
どこでも通用する話なのかといえばそうではないように思います。

例えば、見栄えの良い写真が載せてある居酒屋に行っても
料理や居心地が悪ければわざわざインスタやfacebookには載せないはず。

その点、CABANは絶妙なところをついているように思います。

CABANの人気を支える3つの要素

1.不便な立地

CABANは車で来るか、
電車で逗子駅まで来て
そこからバスに乗らないと
辿りつけない不便な立地。

この不便さは大事な要素。

わざわざ来た感を演出してくれます。

2.高めの値段設定

これが1000円程度なら失敗したねーで終わるんです。

でも、飲み物含めて一人3000円くらいすると、

この選択を正解に変えないとやってらんなん感

が半端ないわけです。

3.失敗した!と思いたくない人間心理

これは要するに不便な立地と高めの値段設定の合わせ技です。

わざわざ時間をかけて遠くまでやってきて

思いがけずコスパの悪いランチになっちゃったんだから

ホント最悪な1日だったねで終わりたくなーい!!!

という心理が働くと思うんです。
この人間心理がうまい具合に刺激されているなと。

どうやって元をとろうかと考えた時
facebookやインスタなどのSNSが登場です。

直射日光がきつくても、
直前までぐったりしていても、
SNSに載せる写真だけは
リア充感を演出し、
「すご~い!」「きれ~い!」「行ってみた~い!」
の他者の声を消費することでようやく満たされるわけです。

そして、SNSに載せる理由は自分の欲求充足なので当然悪いことは書きません。
なぜならそんなことを書いたらめちゃくちゃカッコ悪いからです。

こうして、コスパがいまいちにも関わらず、人気店として成り立つ仕組みができているのではないかと思いました。

まとめると…

インスタ時代の消費には、
料理や内装といった
実際に体感する満足度の他に

SNSで得られる「すご~い!」「きれ~い!」「行ってみた~い!」という賞賛も消費価値として認められるのではないか。

(むしろそっちのほうが高い価値を発揮するケースもあるような気がしています。)

そして、そのためには、

1.苦労してたどり着いた感を演出する立地と
2.この選択を正解に変えなくてはという価格設定を使って
3.自分の失敗を認めたくない人間心理を上手に刺激してあげる

ことが大切なのではないかというのが、ヌルいビールを流しこみながらぼんやり考えていたことです。

間違っていたらごめんなさい、偉い人。

でも地方再生の文脈や居酒屋がこれだけ苦戦している理由を考える時に
役に立ちそうだなと思ったんですが、どうなんでしょう。

最後に個人的なオススメを

おそらくCABANに関しては、自分が行った時間帯が最も過酷だったのが問題です。
オススメは夕方から夜にかけて。
晴れている日のサンセットはきっと感動モノのはずです。

雰囲気が良いのは断言できるので、
直射日光さえなければ、
かなり快適に過ごせるのではないかと思います。

ただ、CABANのほうに行くなら
個人的なオススメは一色海岸にある「海の家 Blue Moon」

一色海岸はCNNが選んだ世界のビーチ100選にも選ばれているらしいです。

そんな一色海岸にある「海の家 Blue Moon」は、客層も良く、雰囲気は最高で、
冷たいBlue Moon片手にアヒージョをはじめツマミを食べながら
美しいサンセットとここは本当に神奈川か!という満天の夜空を
眺めるのは本当に気分が良かったです。

是非興味がある方は足を運んでみてください。

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*インスタってそもそもなに?という方はこちらです。

文字ではなく写真ベースな分、感性が鍛えられるようです。

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旅する教育者代表「木村 公紀」

旅する教育者代表「木村 公紀」

マニラ日本人学校卒業後、私立桐朋高校に進学。帰国子女入試と一般入試の両方を経験する。その後慶應義塾大学法学部政治学科に進学。大学時代は4年間集団塾講師のアルバイトを続ける。新卒で人材教育の会社に就職後、2社目の会社で個別指導塾の塾長を経験。社内最速昇進記録を持つ。配属された校舎を毎年120名以上の生徒を集める人気校にしたのち、生徒一人ひとりと向き合い「できない」を「できる」に変える教育をしたいという志のもと独立。旅する教育者の代表を務める。
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