高校の選び方、志望校の決め方でこれだけは知っておきたい5つのポイント

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こんにちは。
オンラインプロ家庭教師の旅する教育者です。

以前【高校・大学共通】志望校や受験校の決め方・選び方5つのポイントをお伝えさせていただきましたが、今回は【高校受験の志望校選びに特に考えておいたほうがいいこと】をお伝えさせていただきたいと思います。

高校の選び方、志望校の決め方でこれだけは知っておきたい5カ条

1.志望校を決める際に考慮すべき2つの軸

塾長時代に進路面談をしていて親御さんから言われることが多かったのは、「そもそも志望する高校をどうやって決めたらいいかわからない。」ということでした。親御さんの地元だったとしても時が経てば学校の評価も評判も変わっています。

そこで、決め方がそもそもわからないという場合は

  • 【志望校の特徴=お子さんが行きたいと思うかどうか】
  • 【学力=合格する学力があるのかどうか】

という2つの軸から考えてみてください。

この2軸のうちどちらをまずは重視すべきかというと【志望校の特徴=お子さんが行きたいと思うかどうか】です。

高校受験の場合は特に学力は最後の最後まで伸びます。
学力で絞るのは最後の最後で大丈夫です。

まずは志望校の特徴をどのような観点からみたほうがいいのかから確認していきます。

2.志望校の特徴は理性と感性の両面で見る

志望校の特徴を見る時も2つの視点を持ちましょう。
すなわち、【理性】【感性】です。

傾向としてはお父さんは【理性】で判断し、お母さんやお子さんは【感性】で判断しがちだと思います。

感性は直観とも呼べるもので、言葉では説明できませんがとても大事です。
故スティーブ・ジョブズも直観の大切さを説いています。

Don’t let the noise of others’opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become.

他人の意見ではなく、自分の中の声を耳を澄ませなさい。
そして、最も大切なのは、自分の心と直観に従う勇気を持つことです。
自分の本当になりたい姿を知っているのは、自分の心と直観なのだから。

ーSteve Jobs

塾長時代、志望校の話になると両親で意見が食い違う場面に多々遭遇しましたが、見ている観点の違いを活かすべきです。戦わせても意味はありません。

どの選択が正解かは入って見なければわからないのが正直なところですが、いまできる最善の選択をするためにも理性と感性の両面から志望校を判断すると良いと思います。

以下は具体的に感性で見るためにすべきこと、理性で見るためにすべきことをあげておきます。

2-1.【感性で見る】志望校の高校見学をして雰囲気をつかめ

高校見学は面倒くさいと感じる人は多々いますが、絶対に行ってください。

親御さんは同伴しなくても大丈夫ですが、子どもだけだとなにも考えずにただ見てくるだけという可能性があれば同伴されたほうがいいと思います。

見て欲しいのはズバリ【雰囲気】です。

在校生徒や先生方の雰囲気、部活動の様子などは言葉では説明できなくとも「なんとなくいい」「なんとなく好きじゃない」というのはわかります。

子どもだけで行かせる場合は友達同士でおしゃべりしておしまいにならないように、なんとなくでいいから通ってみたいと思えるかどうかだけは見てくるように伝えておいてください。

特に部活動は中学の部活動との雰囲気の違いが出やすいので、部活動が志望校決定の大切な要素であれば必ず見学させてもらったほうがいいです。

例えば、野球をやること一つをとっても、自分がプレーすることにこだわるのか、ベンチに入れなくてもいいから甲子園に行けることにこだわるのかによって選択肢は変わってきます。部活動の雰囲気も全く違います。

どんな高校生活を送りたいのか具体的なビジョンを描けたらいいですが、実際は描けない場合がほとんどだと思います。

ただ、実際に高校を見学することで、好きかどうかは分からなくても嫌なものが見えてきて、嫌なことから逆にこうしたいというビジョンの輪郭が見えてくることもあります。

必ず志望校の候補は見に行くようにしてください。

ここで一つとても大事なことは、第一志望だけではなく第二志望以下も受験する可能性のあるところはすべて見に行くべきだということです。

時々、内申の関係で12月くらいになって併願を決めるときに見てもいない高校を併願校に決定するときがありますが、お子さんが3年間通う大事な高校選びです。

直前になって慌てて見に行くのではなく、余裕ががあるうちに第一志望に限らず幅広く高校は見ておくことをオススメします。

2-2.【理性で見る】通学時間を甘く見てはいけない理由

理性で見るべきポイントその1は、通学時間です。

高校に入れば環境はガラリと変わります。
勉強する科目数は大幅に増え、定期テストの負担は中学の比ではありません。
なおかつ、授業内容もレベルアップし、一貫校でない限り受験のプレッシャーも高校受験ときより早い高校2年生くらいから始まります。

中学時代に自分なりの勉強法を確立している真面目な子ほど、高校に入って自分の今まで確立してきたパターンが通用せず混乱します。

科目数の増加、授業内容の高度化、部活動、人間関係の構築…。
高校1年生は想像以上に様々なストレスを受けます。

そこに通学時間まで加わると体力的にも精神的にも疲弊し、不登校の要因になることもあります。

特に首都圏での通勤通学ラッシュは体力的にも精神的にも消耗するので、3年間平日はほぼ毎日通うことを想定して通学時間は必ず考慮に入れるようにしてください。

子どもは朝のラッシュの大変さを知らないので、実際に通学時間帯に乗って経験させることもおすすめです。

2-3.【理性で見る】高校の進学実績、指定校推薦の枠はチェックしてますか?

高校合格はゴールではありません。大学受験も当然ゴールではないわけですが、次の目標にはなりうると思いますので、大学受験を見据えて高校選びをすることも大事なことの一つです。

その中でまず見て欲しいのが【学校の進学実績】です。
大学受験を希望しているのに、大学進学よりも専門学校への進学や就職のほうが多い高校に進学してしまった場合、受験勉強に集中することそのものが難しくなるでしょう。

なぜなら人は周りの環境に流される生き物だからです。

また、どのレベルの大学を希望しているのかが現時点であるのであればそこも見ておくといいです。

例えば、周りが当たり前のように早慶を目指していれば早慶を目指すのは当たり前になりますし、早慶は校内でもトップの人間しか受からないとなれば、自然と早慶は無理だと決めつけて目指さなくなりやすいです。

重ねて言いますが、人は周りの環境に流されやすい生き物。
周りが受験勉強をしていない中で一人受験を志すのはなかなかできません。
また、大学の志望校の上限も周りの”常識”によってなんとなく決められてしまうことは多々あります。

理性的に将来から逆算をして志望校のアドバイスを送るのは親御さんや学校の先生方や塾の先生などの周りの大人の役割です。
しっかりとチェックしておいてください。

3.志望校を決める際の学力を計る3つの指標

さて、では2つの軸のうちのもう一つ、【学力=合格する学力があるのかどうか】からどのように志望校を絞り込んでいけばよいかみていきます。

学力を決める指標は3つです。
1つ目は内申、2つ目は模試の成績、3つ目は過去問です。

この中で一番最初に決まってしまうものが「内申」です。
内申が出たら入試当日に何点取れば合格できそうかの目安もわかりますので、必ず計算をしてみてください。計算の仕方は各都道府県によって全く異なるので、塾に通っている方は塾の先生か学校の先生方にお願いしてみるのがいいと思います。

その結果をもとに志望校の絞り込みを行いますが、一つに絞り込むのは直前でも大丈夫です。

模試の結果、過去問の結果を見ながら徐々に選択肢を狭めていくイメージを持ってください。

模試の結果と過去問の結果ですが、高校入試で公立高校を受験する場合、模試は各都道府県の特徴を掴んでいるので大学受験に比べたらかなり当てにはなります。

とはいえ、最も信頼できるのは過去問に変わりないですので最終的には過去問の結果から志望校の絞り込みを行うとよいと思います。

過去問に取り組む際の注意点は、なるべく本番の状況に近づけるということです。
時間帯は当然受験本番に合わせましょう。

途中で休憩を挟むことや、科目ごとにつまみ食いをするというのは【現在の学力を測る】という目的においては正しい取り組みではありません。
(もちろん、入試対策として大問ごとに集中して解くことは否定しませんが、目的が異なります)

現状の学力を正確に測りたいと思ったら、なるべく入試本番と同じ環境で過去問を解くというのは覚えておいてください。

4.第一志望を1校にしない。第一志望”郡”を作る。

いままでお伝えしてきたように、幅広い選択肢の中から受ける可能性のある高校の雰囲気を知ることで感性で優先順位をつけ、高校合格後を見据えて理性的に受験校を絞り込んだうえで、最終的には学力で志望校を決めていくという話をしてきました。

この時に大事なことが最初から志望校を一つに決めないということです。
もちろん、一つに決めることで絶対に合格したいというパワーは生まれます。
それ自体はとても大切なことです。

しかし、受験校を一つに絞る場合は親御さんも覚悟が必要です。
それはお子さんの夢を応援しきるという覚悟です。

直前まで応援していたのに、最後の最後で志望校の変更を余儀なくされたケースはたくさんあります。もちろんお子さんのためを思ってのことだとは思いますが、お子さんの中に残るのは深い挫折感です。

1つに絞るなら究極高校浪人という覚悟を持って応援しきる。
それができないならば、最初から一つには絞らせないことです。

第一志望ではなく、第一志望群をつくり、行ってもいいなと思える学校の枠は広げるようにしておきましょう。

5.最終的な志望校決定は焦らなくていいが、絶対にやってはならないことがある

私立単願や推薦入試を受ける場合は、もちろん12月頭には志望校を決定しなくてはいけないと思いますが、一般入試の場合は出願の直前まで最終的な志望校は決定しなくても大丈夫です。

ただし、絶対にやってはいけないことがあります。

それは本人の意向を無視して親や周りの大人の意向で出願校を決定すること

そんなことしないと思うかもしれませんが、これが意外と多いのです。

特に地方の場合だと公立校への合格率を大事にしているからか、直前に見にも行っていない高校に志望順位を下げせるケースはよくあります。このことによって学校や塾の表面的な”第一志望合格率”は上がりますが、自分の意向を無視して志望校を決定された子どもの身になってみてください。

高校で嫌なことがあったら、「ここは自分が行きたい高校ではなかった。」「あのまま受験していたらもしかしたら受かっていたかも」と変えられない過去に焦点を当て、人のせい環境のせいにする子に育ってしまいますし、自分で決めた道ではないのにやる気を出せと言われても土台無理な話です。

中学生は親御さんが思っている以上にもう十分大人です。自分の人生は自分でハンドリングできる子に育てたいと願うならば、必ず話し合って本人の意向を尊重してください。3年間過ごす高校は親御さんや学校の先生が通うではなく、本人が通うんだというあたり前の原則を忘れてはなりません。

たとえ高校受験で失敗したとしてもいくらでも挽回可能です。
長い目でみて、いまどんな経験を子どもにさせるのが大事なのか。
是非大人だからこそできる長期的な視点で物事を判断してほしいと思います。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。

以上をまとめると

 

  • まずは現状の学力より子どもが行きたいと思う学校を探そう
  • 志望校の絞り込みは理性と感性の両方の側面から見る
  • 高校見学は雰囲気を見るために絶対行くべし
  • 通学時間は気合いと根性で考えない
  • 進学実績を見て我が子を3年後どのような環境に置きたいか考えましょう
  • 内申<模試<過去問の順で実力は判断
  • 第一志望は1校にしない
  • 最終的な志望校決定は必ず子ども自身にさせること

 

 

ということをお伝えさせていただきましたが、いかがでしたか?

最近は保護者の方から、

 

  • 志望校の相談に乗ってほしい
  • いまからでも第一志望合格に間に合うか診断してほしい
  • いまの塾が合っているかわからない

 

 

といった相談を受けることも多くなってきました。
高校受験はいまからでもまだまだ大逆転できる可能性があります。

短期集中でカリキュラムを組んで、E判定だった第一志望に大逆転合格を掴んだケースもあります。
是非お気軽にご相談ください。



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旅する教育者代表「木村 公紀」

旅する教育者代表「木村 公紀」

マニラ日本人学校卒業後、私立桐朋高校に進学。帰国子女入試と一般入試の両方を経験する。その後慶應義塾大学法学部政治学科に進学。大学時代は4年間集団塾講師のアルバイトを続ける。新卒で人材教育の会社に就職後、2社目の会社で個別指導塾の塾長を経験。社内最速昇進記録を持つ。配属された校舎を毎年120名以上の生徒を集める人気校にしたのち、生徒一人ひとりと向き合い「できない」を「できる」に変える教育をしたいという志のもと独立。旅する教育者の代表を務める。
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