こんにちは。
オンラインプロ家庭教師の旅する教育者です。
いままで自己推薦書や志望理由書の書き方について書いてきました。
【参照】これだけは知ってほしい、大学入試の志望理由書・自己推薦書の書き方の基本3カ条|志望理由書の書き方【1】
【参照】志望理由書や自己推薦書を書くときに大切な5つのポイント|志望理由書の書き方【2】
【参照】【自己推薦書の例文あり】志望理由書を推敲するときに意識すべき5つのチェックポイント|志望理由書の書き方【3】
今日は推薦入試や私の母校慶応義塾大学での大学入試で使う、小論文の書き方の基本を説明します。
- 小論文の勉強のやり方がわからない
- 小論文の書き方がわからない
- 小論文が苦手で得意になりたい
という人にとっては必見の内容になっています。
是非ご覧ください。
【まずはここから!】大学入試の小論文の書き方で一番大事な型の身につけ方
小論文の型を理解する
なぜ小論文の型を身につけたほうがいいのか?
小論文を書くとき、書き始めに迷ったりどのような順番で書くか迷ったりすることはありませんか?
小論文には型があります。
型なんか身につけなくていいという人もいますが、そのような人は文章力に自信のある方です。
物事は“守””破””離”で身につけよという教えもありますが、小論文にもそれは当てはまります。まずは小論文の型を身につけて、「どう書くか?」ということに悩まない状態にしましょう。
さて、ではどのように型を身につけるかという話なのですが、樋口裕一先生の本は有名ですしオススメです。
もちろんすべてをyes/no型にすることには批判もありますし、臨機応変が大事だという指摘は間違いありません。
ただし、型を身につけることによって少なくとも「どう書くか?」という悩みは消せますし、その悩んでいる時間を使って小論文の質の向上という中身により時間を割くことができます。
このホームページを見ていただいた方から問い合わせをいただき、無料体験指導の中で小論文の添削をすることが多々ありますが、自分なりの書き方を追求していてそれが”小論文”ではなくただの”作文”になっているケースは残念ながらよくあります。
まずは、素直に”守”から始めましょう。自分なりの型を作っていくのは、「この型だったらひとまず書ける!」という自信を手に入れてからでも遅くはありません。
小論文の型とはなにか?
樋口先生の本に詳しいので是非そちらもあわせてご覧になっていただきたいのですが、4部構成で書くことをオススメします。
【第1段落】
課題文の要約と問題提起
この段落の目的は2つです。
1つは「しっかりと課題文理解できていますよー」というアピール。
もう一つは「この小論文ではこのテーマを扱いますよー」という前提を共有することです。
問題提起によって小論文の目指す方向性を明示しておくことはとても大事です。
添削依頼のある小論文を見ていて多いのが、書き出しでインパクトをつけようと工夫しているのですが、テーマが明記されていないものです。
そうなると読み手はこの子はなにをテーマにどんな展開に持っていきたいのか、話が読めません。
小説なら、あえてぼかすことや曖昧にすることは大事ですが、これはあくまで小論文です。第1段落でしっかりとこの小論文のテーマを明確にしましょう。
最近の小論文入試では課題文型が多いのですが、課題文型の小論文の場合は必ず要約問題のトレーニングもしておくようにしてください。
軽視しがちですが、課題文の要約の出来も採点対象となります。
要約力を身につけるには、現代文にありがちなただ問題に答えるためのテクニックを身につけても意味がありません。
全体の構造を、”対比関係”、”抽象→具体の関係”、”言い換えの関係”の3つの関係から読み解き全体像を図示できるようになる必要があります。
課題文型の場合、要約がしっかりできているかどうかも採点対象ですので、小論文を書く練習とともに要約問題が解けるような演習もしていきましょう。
これは現代文の読解や古文の読解、英語長文の読解においても必ず役立ちます。
どのように要約問題の演習をしたらいいかわからないという人は以下の問題集はオススメです。是非ご覧になってみてください。
▼現代文が苦手な人向け
▼最後は早稲田の問題レベルまで対応
【第2段落】
立場の明確化
この段落では、問題提起に対して自分の立場を明確にしていきましょう。
第2段落で自分の立場を明確にすることで、読み手がこの小論文の方向性を更につかみやすくなります。
この第2段落で注意すべきは2点です。
1つは「結論を後回しにしない」ということ。
もう1つは「自分と反対意見にも触れる」ということです。
日本人の特徴でもありますが、主張や結論は最後に書く人がいます。その場合、問題提起→根拠→主張という順番になるのですが、これは読み手に対して不親切です。
なぜなら読み手は最後の段落に来るまで、結局あなたがなにを言いたいのかを推測で判断するしかないからです。
添削する数が少ないならそれでも構わないかもしれませんが、想像してみてください。
大学入試の小論文の添削をするのは最終的にはあくまで教授自身です。大量の小論文を読んでいく中で、結論がなかなか出てこない、推測させる小論文というのは非常に疲れます。
どんなに素晴らしい主張や根拠を並べていたとしてもわかりにくいければ、それはなにも書いてないに等しいのです。
まず意識すべきはわかりやすさ。
わかりやすさは論理的であるという評価にも結びつきやすいです。
普段、結論は最後に書く派の人も是非第2段落で立場や主張を明確にする手法を試してみてください。
ここでもう1つの大事なポイントが、一方的ではなく必ず自分と反対意見にも触れるということです。
これは視野の広さをアピールする狙いがあります。
なんでもそうだと思うのですが、自分の主張を一方的に話す人の話より双方を理解舌上で片方の主張をするほうが信頼を得られると思います。
例えば、指定校推薦を受けるべきか一般入試を受けるべきかと悩んだときに、「絶対いに指定校推薦にしたほうがいいよ!」と指定校推薦のメリットしか述べない人と、指定校推薦のメリット・デメリット、一般入試のメリット・デメリットを比較したうえで総合的に見て指定校推薦を推してくれる人だったらどちらの意見に耳を傾けますか?
おそらく、双方のメリット・デメリットをちゃんと視野に入れたうえで総合的に主張する人のほうの意見により耳を傾けるのではないでしょうか。
小論文もそれと一緒です。
盲目的・一方的な意見ではないことを示すためにも、「たしかに〜=自分と反対意見に触れる」「しかし〜=自分の立場を明確にする」この手法を是非活用してほしいと思います。
【第3段落】
根拠の提示
この段落は4段落構成の小論文において最も大事になります。
ゴールは読み手に”納得感のある根拠”を提示することです。
ある問題提起に対して、読み手が必ずしも自分と同じ主張であるわけではありません。大事なのは主張や立場の違いではなく、その主張を支える根拠に納得感があるかどうかです。
どんな立場の人であれ、読んで納得感をもたらすことができればその小論文はひとまず成功といえるでしょう。
根拠を複数羅列するのではなく、1個か2個に絞り「なぜその主張なのか?」「なぜその根拠なのか?」「根拠の根拠はなにか?」という視点で納得感のある文章を書けるようにしていきましょう。
ここでも大事なのは「自分と反対意見の人だったら、その根拠に対してどのような反論をするだろう?」ということです。予め反論を予測しておけば、その反論に対する反論も文章中に明記できます。
書き始める前に構成メモの段階でこの根拠の深掘りをしておきましょう。
【第4段落】
結論
ここはシンプルで大丈夫です。第2段落の「しかし〜」のあとで述べた主張と第3段落で提示した根拠を組み合わせて、総まとめ的に書きましょう。
構成メモを書かずに小論文を書く人にありがちなのが、
- 第4段落の「結論」と第2段落の「主張」が異なる
- 第1段落の「問題提起」と第4段落の「結論」が結びつかない
ということです。
文章を書くというのはとても主観的で書いているうちにどんどん方向性がずれていきます。
必ず構成メモの段階で全体像の設計を終えてから書き始めてくださいね。
以上4段落構成の型については樋口先生の本に詳しいです。
より詳しく勉強したいという人は是非ご覧になってみてください。
まずは勇気を出して書いてみる
さて、文章を書くというのは主観的であるがゆえに、いざ書くというのは案外勇気がいることだと思います。
でも安心してください。
どんなレベルの大学を受験する子でも、念願の第一志望に合格した子でも、最初に書いた小論文は大抵ひどいものです。
先日も無事にAO入試に合格した子に、最初に書いてくれた小論文を見せたのですがあまりのひどさに自分で苦笑していました。
でもそれもたった1ヶ月前に書いた文章です。
たった1ヶ月でも文章は書けば書くほど確実にうまくなります。
逆に一つ言えるのは、どんなに樋口先生の本を始め小論文の本を熱心に読んでも残念ながら書かなければうまくはなりません。
部活も一緒だと思います。
例えば野球において、どんなにバッティングの本を読んでも練習をしなければ打てるようにならないのはちょっと考えればわかることです。
文章を書くのは面倒ですし、勇気のいることです。
しかし、その一歩目をいつ踏み出すのかが大事です。
最初から完璧はありません。
逆に日本語だからと言って甘く見てはいけません。
勇気を持って一歩を踏み出しましょう。
適切な添削を受ける
せっかく勇気を持って書いた小論文も添削を受けなければ全く意味がありません。
推薦入試やAO入試を受ける方は大抵まずは学校の先生に添削を受けることが多いのではないでしょうか。
学校の先生も生徒思いであるがゆえに受け入れてくれる先生が多いとは思いますが、いかんせん学校の先生は忙しいです。
そしてその忙しさゆえに、段階を追ったアドバイスではなく、その場しのぎの表面的なアドバイスになっていたりすることが多いような気もします。
当然ですが、初めて書いたようなまだ型も定まっていない生徒へのアドバイスと、型が固まりつつあり中身をより鋭くしていく必要がある生徒へのアドバイスは異なるはずです。
ですが、そのような段階を無視し、型を定める段階の生徒にに質のアドバイスをしたり、せっかく一つの型が身についてきた生徒にその型を真っ向から否定して混乱させたり、はたまた表面的な誤字脱字のアドバイスに終始するケースが見受けられます。
それは先生が悪いのではなく、先生が一人ひとりの生徒と向き合う時間の少なさが問題なのです。どうか先生を責めないでください。
だからこそ、あなたの状況に応じた独自のカリキュラムを組んでもらい、継続的に、段階を追ったアドバイスを得ることはとても大事なのです。
添削をもとに書き直す
さて、添削をしてもらったらそこで終わりにせず必ず書き直しましょう。
頭ではそうしたらいいとわかっていても、特に最初の段階では書いてみると添削時のアドバイスが反映しきれていないことがよくあります。
初めての小論文を書くよりも遥かに少ない労力で、かつ確実に力となるのが書き直しです。
添削のアドバイスをもとにもう一度書き直すのは、学校の先生からアドバイスをもらったときにも必ず実践してみてください。
添削者のOKが出るまで書き直す
先ほど書き直しについて触れましたが、書き直しのゴールは添削者がOKをだすまでです。
OKをだすということは、この小論文であれば現段階での目標はクリア!とするレベルまで達するということです。
もっと端的にいうならば、合格できる答案のレベルを体感するということです。
この体感が大事です。
特に小論文は正解がない分、どのように書けばいいのか不安に思う方も多いのではないかと思います。
だからこそ、「こう書けばいいんだ!」というのを添削の力を借りて自分自身で体感することが大事なのです。
これは逆上がりができるようになるプロセスと似ています。
逆上がりでもまずは補助を受けながらでも逆上がりができるようにしますよね。
そして段々と補助なしで逆上がりを繰り返すのですが、なぜ最初に補助ありでも逆上がりをさせるかといえば身体の使い方を覚えるためです。
同じように小論文でも合格答案を体感することによって、合格答案に近づくための構成の仕方のようなものがわかってきます。
そして、徐々に少ない回数の添削で合格答案にたどり着けるようになるのです。
ですから、何回同じ答案を添削してもらえるかはとても大事です。
中途半端で新しいものを次々書いても、砂の上でもがくようなものです。
添削はOKが出るまで繰り返し、徐々に合格答案の土台となる型をしっかりと身につけてみてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
ここでお伝えしたことをまとめると、
- 小論文の型を身につけることで、書き始めや構成の仕方に悩む時間がなくなる
- 型を身につけるときには、段落ごとの意図も理解しよう
- まずは勇気を持って書くことから始まる
- その場限りの添削ではなく、あなたオリジナルのカリキュラムで、継続的、段階的なアドバイスを受けることが大事
- 添削を受けたら必ず書き直す
- 合格答案を体感して、合格答案の土台となる型を身につけよう
ということです。
型を身につけるというのは、合格するための必要最低限ですが、実はこれすらも身についていない受験生がたくさんいます。
そして、小論文というのは日本語であるがゆえに軽視され、後回しにされがちな科目でもあると思います。
だからこそ、チャンスなのです。
しっかり対策をすれば、それだけライバルに差をつけることができます。
旅する教育者では、小論文対策も承っています。
ある生徒は全く小論文が書いたことがない状態から、1ヶ月で22回!もの添削を受け、無事に第一志望の大学に推薦入試で合格を果たしました。
- あなたオリジナルのカリキュラム
- 継続的、段階を踏んだアドバイス
- 月額の指導料金だけで添削は何回でも追加料金無し
という指導が受けられます。
もし小論文でお悩みの方がいらっしゃれば是非一度ご相談ください。
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