元塾長が教える、納得しながら楽しく学べる中学~高校レベルの「英文法」の参考書・問題集まとめ【随時更新】

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こんにちは。
オンラインプロ家庭教師の旅する教育者です。

大人になるにつれて難しいことの一つに「納得しようがしまいがとにかくやる!」
ということが挙げられると思います。

中学受験なんかを見ていると子ども特有の素直さを存分に発揮して、
10時間くらい平気で勉強できたりしますが、中学生、高校生、ましてや大人になるとそうはいきません。

言われたことを素直にやる前に
「納得感」が欲しいのではないでしょうか。

例えば、なぜ命令文は動詞の原形を使うのか?
なんてきっと学校では教えてくれませんが、実はちゃんと理由があったり…。

過去形は「過去」を必ずしも表すわけじゃないってことを知らなかったり…。
(実は過去形を使っても過去を表現しないケースはあります)

「よくわからないけど、とにかく覚える」ことほど苦痛なことはありません。

今回はそんな丸暗記のつまらない勉強をしたくない!という中学生、高校生、社会人の方に役立つ
納得して楽しく学べる「英文法」の参考書をまとめてみました。

ちなみにこれらは全て私が愛用しているものばかり。

当然私にの好みも反映されていますが、是非納得感を持って英文法の勉強をしていきたい人は本屋さんで手にとってみてくださいね。

あっ、ちなみに良いものを発見したら随時更新していく予定です。
もし良い参考書を知っている方がいたら是非教えてくださいね。

目次

  1. 【中学レベル対象】『世界一わかりやすい中学英語の授業』
  2. 【高校レベル対象】『「なぜ」がわかる英文法』
  3. 【1から全てを網羅的に学び直したい人対象】『一億人の英文法』

1.【中学レベル対象対象】『世界一わかりやすい中学英語の授業』

関先生といういま超有名な方が書いている英文法。
対象が中学レベルで図を使ってとっても読みやすく書いてあります。

中学レベルといってもバカにしてはいけないです!
大学受験を一生懸命勉強していた人でも知らなかった内容が盛りだくさん。

ただし、その分内容は網羅的ではないし、これ1冊で中学英文法はOKという内容ではないので注意してください。
あくまで英文法に納得感を得るという趣旨で紹介しています。

英語アレルギーがある高校生・社会人の方、先生が英文法の質問に納得のいく答えをくれないと嘆く中学生、
意欲の高い小学生、中学生レベルの子どもに英語を教える保護者の方、教育者の方にオススメです。

イメージしやすいように本の一部をご紹介しますね。

「ハッキリ形がイメージできない」名詞は数えません。

⇒「形がイメージできない」パターンは「目に見えない(workなど)」か「切ってもOK(breadなど)」の2パターンです。
「数えられない名詞」は星の数ほどありますから、丸暗記するのは不可能です。
「形がイメージ出来ない」というネイティブの考え方がわかればカンタンですよ!

『世界一わかりやすい中学英語の授業』03 「数えられない」名詞の考え方 P.29

「なんでbreadは数えられないのー?」なんて子どもは無邪気に聞いてきます。

昔だったら「とにかく覚えなさい!」だったのが、「形がイメージできない」パターンは
「目に見えない(workなど)」か「切ってもOK(breadなど)」の2パターンだよ
と言われれば納得感が増しますし、応用力が上がりますよね。

ちなみに生徒にこれを教えたら、「紙はどうかな?」と疑問に思ったらしく
一緒に辞書使って確認したら(一緒に学ぶ 笑)やっぱりpaperは数えられない名詞で生徒は「おぉ~!」となってました。
(ただし、新聞を意味するpaperは数えることができます。これもただ覚えろだと理不尽に感じますが、納得できますよね。)

参考までに目次をこちらに記しておきますね。

『世界一わかりやすい中学英語の授業』 目次
PART1 名詞・冠詞・代名詞
01 「数えられる」名詞の考え方(単数形)
02 「数えられる」名詞の考え方(複数形)
03 「数えられない」名詞の考え方
04 可算名詞なのに「aがつかない」場合
05 不可算名詞なのに「aがつく」場合
06 theの使い方
07 “複数形”と“the+複数形”の違い
08 代名詞の基本
09 youの意外な使い方
10 itの特別用法

PART2 前置詞
11 前置詞は核心イメージでとらえる
12 atは一点を表す
13 forは方向性を表す
14 fromは起点、toは方向・到達を表す
15 onは接触、ofは分離(所有)、inは内包
16 withは付帯と相手、byは近接を表す

PART3 動詞
17 be動詞の基本
18 be動詞の「否定文と疑問文」
19 be動詞意外の動詞-一般動詞
20 一般動詞の「否定文」
21 一般動詞の「疑問文」

PART4 時制
22 be動詞の過去形
23 一般動詞の過去形(規則変化・不規則変化)
24 一般動詞の過去形(否定文・疑問文)
25 進行形の基本
26 進行形にできる動詞・できない動詞

PART5 助動詞
27 canは「いつでも起こる」
28 Willは「100%必ず~する」
29 mayは「可能性・予想50%」
30 mustは「プレッシャー」
31 shall/should/had betterの誤解

PART6 命令文/There is~構文
32 命令文は「動詞の原形」で始める
33 命令文は「そうすべき」を表す
34 “There is~”で新情報を提供する

PART7 比較
35 as~asの意味
36 「より~だ」という言い方
37 「一番~だ」という言い方

PART8 不定詞・動名詞・分詞
38 不定詞の「名詞的用法」
39 不定詞の「形容詞的用法」
40 不定詞の「副詞的用法」
41 不定詞は「未来志向」
42 動名詞はあくまでも「名詞」
43 不定詞は「未来志向」、動名詞は「反復・中断」
44 分詞の形容詞的用法(現在分詞)
45 分詞の「形容詞的用法」(過去分詞)

2.【高校レベル対象】『「なぜ」がわかる英文法』

先ほどの『世界一わかりやすい英文法の授業』よりは情報量が多く、
内容も英文法の基本が一通り体系的に網羅されています。

学校の授業の内容にも即しながら英語の本質的な視点が得られるので、
この本で本質をつかみながら学校の授業で細かい知識は習得していくという使い方がオススメです。

『世界一わかりやすい英文法の授業』では物足りない中学生、
英文法の授業に納得感の欲しい高校生、
大学受験である程度英語の勉強をしてきた社会人の方の学び直し、
英語を中高生に教える教育者の方にオススメです。

こちらも参考までに本の一部をご紹介。

第4文型の動詞のほとんどは、give(与える)に近い、あるいは、give(与える)を含んだ意味を持っています。
中学や高校では必ずといっていいほど文型を学びますが、そのメリットは知らない単語に出合ったとき、
文型さえわかれば、おおよその意味が推測できるということにあります。

『「なぜ」がわかる英文法』第2章文型を理解しよう P.50

SVCとSVOの違いとか、SVOOとSVOCの違いとかを一生懸命覚えた記憶がよみがえった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ただ覚えるだけではつまらないですが、こんなメリットがあったんですね。

こちらも最後に目次を紹介しておきますね。

『「なぜ」がわかる英文法』 目次
第1章 品詞を理解しよう!
1 品詞-品詞を理解することは英語学習の近道
2 名詞-「数えられる」か「数えられない」かがポイント
3 冠詞-品詞の王様“名詞”に付ける冠
4 動詞-自動詞と他動詞の違い
5 形容詞-置かれる場所の違い
6 副詞-文を豊かにするはたらき
7 前置詞-名詞の前に置き詞
8 接続詞-2つ以上のものをつなぐ接着剤

第2章 文型を理解しよう!
1 文型-知らない単語も文型がわかれば推測できる
2 第1文型-主語+動詞(+修飾語)
3 第2文型と第3文型-主語+動詞+?
4 第4文型と第5文型-主語+動詞+?+?

第3章 時制を理解しよう!
1 時制-動詞の形のこと
2 現在形-事柄を“身近”に感じる場合の表現
3 過去形-事柄を“遠く”に感じる場合の表現
4 進行形-途中の段階過程に焦点を当てる表現
5 完了形-2つの時をあらわす形
6 完了進行形-完了形の矛盾を進行形の力を借りて解決

第4章 受動態を理解しよう!
1 受動態-受動態の使い方が大切
2 by以外の前置詞を使う受動態-at、in、toを使う場合
3 群動詞の受動態-前置詞が2つ並んでも大丈夫

第5章 助動詞を理解しよう!
1 助動詞-話し手の気持ちや考えを伝える動詞の助っ人
2 Willの用法-“力強さ”を遺伝子に持っている
3 canの用法-実現可能な潜在性をあらわす
4 mayの用法-障害がないことををあらわす
5 mustの用法-抵抗できない圧倒的な力をあらわす
6 shouldの用法-聞き手にとって良いとされる圧力
7 助動詞の過去形-距離感を持つ事柄や相手に使う表現
8 助動詞の完了形-過去の事柄についての話し手の判断

第6章 仮定法を理解しよう!
1 仮定法-空想の世界、仮定の世界を表現
2 仮定法過去形-現実から遠く離れている世界を想像
3 仮定法過去完了形-過去形よりもいっそう“遠い”距離感
4 if it were not for ~/if it had not better for ~-なぜitとforが使われるのか?
5 ifを使わない仮定法-ifを使わない「理想」と「現実」の距離感

第7章 比較表現を理解しよう!
1 比較表現-原級・比較級・最上級
2 原級を使った比較表現-“同じである”ことをあらわす比較表現
3 比較級を使った比較表現-2つのものを比べて「・・・より~である」
4 最上級を使った比較表現-3つ以上の中で「一番~である」

第8章 分詞を理解しよう!
1 現在分詞/過去分詞-動詞が形容詞のはたらきを持つ
2 分詞が名詞を修飾する場合-純粋な形容詞との違い
3 分詞が補語になる場合-形容詞のはたらきを持っている分詞は補語にもなる

第9章 動名詞を理解しよう!
1 動名詞-動詞が名詞のはたらきを持つ
2 前置詞の目的語になる場合-動名詞が時をあらわす

第10章 不定詞を理解しよう!
1 不定詞-動詞+α(名詞・形容詞・副詞)
2 名詞的用法-あいまいなことを具体化する
3 不定詞と動名詞の違い-不定詞は未来のこと、動名詞は事実を表現
4 形容詞的用法-have to~も生い立ちは不定詞
5 副詞的用法-訳はパターンで解決

第11章 関係詞を理解しよう!
1 関係詞-前の名詞を後ろから限定する
2 関係代名詞-接続詞と代名詞の2つのはたらき
3 関係副詞-接続詞と副詞の2つのはたらき

3.【1から全てを網羅的に学び直したい人対象】『一億人の英文法』

これもとても有名な方が書いた本。
様々な本が出していますが、この本が「話すための英文法」という視点から英文法を体系的に網羅しています。

どうしても納得感のある英文法書というのは読み物的な扱いをされ、
文法単元を網羅されることは少ないのでこれはとても貴重です。

ただ、その分とっても分厚くなっているので本格的に英文法を学び直したい、
でも学校で教わるような丸暗記は嫌だという方向け。

現役の学生が使用する場合、気をつけなければならないのは、
学校英語の文法用語ではなく、この方独自の用語を使用している点。
(目次を参照していただければわかりますが、構成も独特です。)

どうしても学校の授業とリンクしてこない、ないしはリンクさせるのが大変なので、
高校生が使用する場合は
1.学校の授業にはハナから期待しておらずこの1冊の考え方を丸々インストールする(この文法書をメインに据える)
2.forestの要領で辞書的に納得感の欲しい文法単元をひく(辞書的に随時調べる。)
という使い方をオススメします。

こちらの参考書は上記の高校生や1から英文法を本格的に勉強し直す社会人にオススメです。

一部引用しますので雰囲気をつかんでみてください。

 mustには過去形がありません。
みなさんには奇妙に感じられるかもしれませんが、ネイティブはなんら不思議に思うことなくそれを受け入れています。

それはmustは「今ヒシヒシと感じられる圧力」だから。ある行為や結論に今強烈に駆り立てる、それがmustなのです。

「~しなければならなかった」と過去をあらわしたいときには、had to(have toの過去形)を使います。
「そうしたことをする必要があった」-過去の出来事は一歩引いて客観的に眺めるものですからね。
mustに過去形がないのは自然ななりゆきなんですよ。

『一億人の英文法』CHAPTER7:助動詞 P.338

助動詞は感情をあらわすと知ると、とても面白いです。

英語は英語の感覚で扱えるようになると読み取れる感情も増えますよね。
大事なのは核となるイメージ。日本語訳は完璧ではないですからね。

『一億人の英文法』 目次

※細かく書くとキリがないのでSECTIONの紹介は省きます。
(正直に言います。多すぎてめんどくさいのです。ごめんなさい。)

CHAPTER 0 英文法の歩き方

PART1 英語文の骨格
CHAPTER 1 主語・動詞・基本文型
CHAPTER 2 名詞

PART2 修飾
CHAPTER 3 形容詞
CHAPTER 4 副詞
CHAPTER 5 比較
CHAPTER 6 否定
CHAPTER 7 助動詞
CHAPTER 8 前置詞
CHAPTER 9 WH修飾

PART3 自由な要素
CHAPTER 10 動詞-ING形
CHAPTER 11 TO 不定詞
CHAPTER 12 過去分詞形
CHAPTER 13 節

PART4 配置転換
CHAPTER 14 疑問文
CHAPTER 15 さまざまな配置転換

PART5 時表現
CHAPTER 16 時表現

PART6 文の流れ
CHAPTER 17 接続詞
CHAPTER 18 流れを整える

まとめ

・英文法の勉強は丸暗記というのはもう古い!
・納得感を持って英文法を勉強する教材はいま増えている!
・納得感は学ぶ意欲を引き出してくれる!
・英語アレルギーが強いなら関先生の『世界一わかりやすい英文法の授業』がオススメ

・高校レベルの基本の英文法を体系的にかつ納得感を持って学びたいなら『「なぜ」がわかる英文法』

・『なぜがわかる英文法』ではな物足りない、同じようなテイストでもっと網羅的に英文法を学びたいなら『一億人の英文法』

いかがでしたか?

引用した文章はパッと開いたところを紹介しただけでしたが、知らなかったこともあったのではないでしょうか。
「わかった!」「そうだったんだ!」は本来誰にでも備わっている学ぶ意欲を刺激します。

なにより教える側が楽しみながらワクワクしながら教えるのが一番。

教育者は決して完璧な存在ではなく、不完全だからこそ生徒に寄り添い、
かつ、少し先を歩きながらワクワクした学びの世界を見せられるのではないかと思います。

最近はこのように英語の勉強にハマっていて、特にやっぱりもうちょっと話せるようになりたいなぁと思っています。
話せるようになる=英会話教室だ!みたいな発想になりがちですが、色々調べてみるとコストを抑えて勉強することもできそうです。

ラジオ英会話やアプリを見直してみるとかなり使えるものがあったりします。
英会話向けのオススメも使ってみていいものがあったらまた紹介しますね。



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旅する教育者代表「木村 公紀」

旅する教育者代表「木村 公紀」

マニラ日本人学校卒業後、私立桐朋高校に進学。帰国子女入試と一般入試の両方を経験する。その後慶應義塾大学法学部政治学科に進学。大学時代は4年間集団塾講師のアルバイトを続ける。新卒で人材教育の会社に就職後、2社目の会社で個別指導塾の塾長を経験。社内最速昇進記録を持つ。配属された校舎を毎年120名以上の生徒を集める人気校にしたのち、生徒一人ひとりと向き合い「できない」を「できる」に変える教育をしたいという志のもと独立。旅する教育者の代表を務める。
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