ココが好きだよ、アメリカの現地校〜親目線編その1〜

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ユヅスコです。前回は子ども目線からアメリカ現地校の良いところを紹介しました。それに関連して、今回は私自身が「現地校のここが好き!」と感じている事について、ご紹介したいと思います。今回は主に学業面についてお話したいと思います。前回同様、広いアメリカの中の一つのサンプルとしてお読みいただけると幸いです。

個々の能力に合わせた授業

子供達の学校で一番感銘を受けたのは、「個人の能力」を大切にしてくれること。生徒の能力は本当にバラバラで、国語が得意だけど算数が苦手、またその逆もあります。息子達の現地校では、特に算数、国語(英語)において、個々の能力に応じた学習機会を与えてくれています。

国語(英語)に関しては、ELL(英語を母国語としない生徒のための英語学習)はもちろん、ボキャブラリー不足、Reading又はwritingが弱いと判断された場合、自習時間などを使って、各々の分野のスペシャリストから教わる機会を作ってもらえます。長男の場合、ELL卒業時点で学年相当のボキャブラリーはありませんでした。ELL卒業後の2年間、この支援をしていただけてとても助かりました。なお、単語テストも、個々の習熟度に合わせて実施されます。
算数(数学)は低学年から単元によっては習熟度別クラス編成を実施していますが、子供達の学校では、大きな転機は6th Gradeで訪れます。6th Gradeになると、5th Gradeの学年末に実施されるクラス分けテスト及び州の統一テストの結果に基づいて3つのクラスに分類されます。同学年間でも学ぶ内容に2~3年ほどレベルに開きがあり、例えば7th Gradeでは、Advancedな生徒は9th、標準的な生徒は7-8th、進度がゆっくりな生徒は7thの内容を学びます。更にテスト結果で最上位と判断された生徒は、高校やコミュニティカレッジでさらに上の学年の数学を学ぶ機会が与えられます(選択するか否かは個人の自由)。日本の公立小中学校でも今は習熟度別クラス編成があると聞きますが、2学年以上超えたり、小学校で中学や高校の範囲を教えることはないと思います。Advancedな生徒も退屈することなく、進度がゆっくりな生徒もじっくり取り組めるため、よい仕組みだと思います。ただ、一度クラスが固定してしまうと、なかなか上のクラスに行くのは難しい模様。そのため、ママ達は5thの統一・組分けテストには非常にナーバスになっています。

スペシャルニーズへの対応

発達障害など、他の専門的な教育機関の方が生徒を伸ばせると判断された場合は、公費でそちらの学校に通えるよう、サポートしてくれます。不登校に対しても、定期的にカウンセリングが受けられます。近隣の学校では、ディスレクシア(失読症)の生徒に対して、定期的なカウンセリングやテスト問題の読み上げなどサポート体制があるようです。

内申が大切!成績評価は明瞭、再チャレンジも可能

日本では、「内申」というと、ちょっとネガティブなイメージもあるかと思います(個人的な印象かもしれません)。これから大学入試改革で変わっていくとは思いますが、現在のところ、上位校などは本番のテスト結果が最重要視されていると思います。が、現地校では内申が非常に重視されています。前年の成績が来年度のクラス分けに、高校では中学の成績で選択できる授業が決まり、大学受験では高校の成績が合否に関わる重要な要素の一つになります。
内申の内訳も明瞭です。先生方は最初の授業で、どのような基準で成績をつけるのか、というのを具体的に説明します。例えば「単元テスト35%、小テスト15%、2大プロジェクト各15%、クラスでの発言・貢献度10%、宿題の提出率10%」など。対策が立てやすいのです。今年度から子供達の学区の成績評価制度が変わりましたが、それまではテストスコアについては、≧98点でA+、≧93かつ<98点でA、≧90点かつ<93点でA-など、非常にわかりやすい評価でした。平均点に関わらず、すべてこれ。8点満点のテストで7点をとっても、87.5ということでB+しかもらえない、、という少々厳しいとこもありましたが。今年からは、「社会B+」など、科目全体で評価するのではなく、各科目の各単元をさらに詳細に評価する制度に移行となりました(保護者は皆まだ戸惑っております(-_-;))。
特にいいな、と思ったのは、テスト結果が不本意だった場合、再テストを申請できること。再テストでよい成績を修めれば、成績を上方修正してくれます。最終的にちゃんと習ったことが理解できていればOK!という、教育の目的にも合っているし、生徒のモチベーションアップにも繋がり、よい制度だなぁ、と思っています。
子供達は塾に行く必要はなく、日々授業と宿題に注力すれば結果がついてきます。

宿題しっかり、高学年はちょっと辛いけど

子供達の現地校は、小学校高学年くらいから徐々に宿題が増え、中学生(6thGrade以上)になると、がっつり出ます。中学生からは教科担任制となり、先生間で日々の宿題量の調整は行われていないようで、毎日、多いときは計3時間、少なくても1時間分くらいの宿題が出ます。特に多いのは、国語(英語)の宿題。年間10冊くらい小説を読みますが、毎日3章くらい読んで、そのサマリーをまとめたり、annotation(わからない用語、重要事項、年月、重要人物などに線をひいて調べる)をしなければいけません。日本人だけでなく、これはアメリカ人の生徒達にとっても時間のかかる宿題とのこと。更に毎日30分以内くらいですが、算数(数学)も宿題が出ます。ここに社会、理科、スペイン語のプロジェクトが入ったりすると、結構大変です。しかし、この日々の勉強量は、子供達の読解力の向上、知識の定着、またタイムマネジメントスキルの向上に貢献していると感じています。

読み書きを重視した教育

国語(英語)の宿題が多い、と書きましたが、読み書きには低学年から非常に力を入れていると思います。1st Gradeなどはほとんど宿題がありませんが、必ず20分以上の読書は毎日課されます。年度末に読解力が学年相当よりも低いと判断された場合、夏休みの間、読書の宿題が課され、1-2週間に一度、読書記録とともに音読チェックをしてもらえます。著者を学校に招いてのイベントや近隣の図書館の読書イベントとタイアップしたり、読書の習慣化を促しています。読書はボキャブラリーの強化、読解力向上に役立つと思っています。
3rd Gradeぐらいになるとエッセイの書き方を学び始めます。別途お話ししようと思いますが、エッセイライティングにはセオリーがあり、日本の作文に比べて、非常に書きやすいと思います。逆にセオリーを知らないと全く成績が取れません。中学生以降でアメリカに来た場合、苦労する要因の一つになっているのではないか、と思います。将来、グローバルに働くチャンスがある場合、英文ライティングの基礎は、ビジネススキルとして生きてくると思います。
というわけで、私が思う、学業面における現地校の好きなところを、挙げさせていただきました。あくまで私の個人的な考えです。次回は学業面以外の「いいな」と思っている点について、ご紹介したいと思います。

いかがでしたか?

旅する教育者代表の木村です。今回の記事はいかがでしたでしょうか?

私が特に良いなと思ったのは個別対応の充実です。日本では横並び意識が強いですが、子どもの成長は人それぞれであることが制度に落とし込まれているのがアメリカの教育の良いところだと思います。日々の指導でも感じていますが、できないことはできないと認めた上で前の学習内容に戻って根本解決したほうが結果的にはできるようになります。前学年の内容に戻るのは・・・と抵抗を感じる気持ちは十分に理解できますが、長い目で見たときには子どもの成長を遅らせる余計なプライドなのかもしれません。習熟度別が生徒感のヒエラルキーに直結しないような指導を前提にし、学年やクラスを流動化させればいじめなども減っていくのではと個人的には考えています。

また評価の見える化も非常に参考になりますね。日本の高校受験を経験した方なら、誰しも内申点への不透明さを感じたのではないでしょうか。先生が生徒をコントロールするツールではなく、生徒の学びの定着度をはかるものにするためには、基準を内外に明確に示すことは必要ではないかと思います。

さて、次回は学業面以外でのアメリカ現地校のいいところをお届けしてもらいます。
是非次回もご一読いただけますと幸いです。


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ユヅスコ

ユヅスコ

シカゴ郊外で夫と息子二人と暮らす元フルタイムワーキングマザー、現新米ホッケーマム。ノーと言わない日本人をモットーに、来るものはとりあえず何でも、流れに逆らわず試しています。マンガの守備範囲は広く、たまにアメリカ生活で役立っています。
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