小論文の評価の仕方と身に付けるべき力とは?|LINE@のQ&Aコーナーvol.1

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Q:小論文の評価の仕方とは主にどんな感じなのですか?

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最近の小論文は課題文型がほとんどですので、課題文型だと仮定したうえで質問にお答えしたいと思います。

目次

  1. 小論文の評価の仕方について
  2. 課題文型小論文で問われる4つの力
  3. 身に付ける優先順位とおすすめ参考書のご紹介
  4. 編集後記

 

小論文の評価の仕方について

評価は基本的には減点方式です。大学によって個別評価項目は異なるのですが、その項目ごとの配点から減点されていくわけです。

では具体的にどのような項目が評価対象かというと、それは小論文で問われる以下の4つの力であることが多いです。

具体的にみていきましょう。

課題文型小論文で問われる4つの力

1.課題文の読解力・要約力

まず大事になってくるのは、課題文の内容がしっかり掴めているかということです。
つまり、課題文の読解力・要約力が小論文で求められる第一のポイントです。

小論文なのに読解力が必要なの?と思われるかもしれませんが、これは考えてみれば当然です。

そもそもなぜ小論文という添削の必要な面倒な科目を大学入試で試験科目として問う大学があるのかというと、小論文で推測することのできる受験の実力が大学入学後に必要な能力と近しいと考えられるからです。大学では最終的に卒業論文を書く学部がほとんどですが、課題図書を正確に読み、その共通認識を持ったうえで更に深い議論を展開していくというのは大学の授業(特にゼミ)や卒業論文を書くうえで求められる最低限の素養です。

大学に入って、いちいちこの文章を正確に読めてますか?なんて高校の授業のようなことはやらないわけです。それは読めていて当然で、そのうえであなたはどう考えるの?ということが問われるのです。

ですから、まず最初に大事なのは課題文ないしテーマについて正確な理解ができているかという読解力が求められることがわかります。

2.問題提起〜結論までの論理構成力

では、次に見られるのはなにかといえば、前述した課題文の要約から自分なりの問題を浮かび上がらせたうえでどのように結論まで導くかという、問題提起〜結論までの論理構成がしっかりできているかということです。

よく小論文には型が大事だという意見があります。そして同時に型を身につけないほうがいいという意見もあります。個人的には型はあったほうがいいが、その型は複数あったほうがいいという意見です。

そもそも高校生は普段から自分の意見を論理立てて発表する機会に恵まれているかといえばそうではありません。まずどのように書くのかという引き出しがなければ、限られた試験時間の中で小論文の質を高める前にかなりの時間を費やしてしまいます。

型なんてなくても書けるよ!という方は無理して型を身につけてその型にはてはめる必要はないかもしれませんが、そもそもどう書けばいいかわからないという人は型を身につけるところからはじめましょう。

詳しくはこちらの記事(大学入試の小論文の書き方で一番大事な型の身につけ方)を御覧ください。

3.表現力

大枠としての構成がバッチリでも肝心の文章が拙いと言いたいことが伝わらないことがあります。表現力とはあなたの伝えたいことをよりわかりやすく納得感を持ってもらえるように伝える力です。どのような具体例を示せば、読み手の納得感が得られるか、どの順番で書けばわかりやすいかなど、徹底的に読み手の視点に立って書けるかどうかが大きなポイントとなります。

これは今まで本を読んできた人は自然とできますが、自分自身に読み手としての経験が少ない人は苦戦する印象があります。小論文には頻出テーマがあり、本を読んで知識を得ることも必要ですので、これを機会に本を読む習慣をつけましょう。

また人と話すときや学校の授業でもわかりやすい話し方をする人とそうではない人がいます。なぜこの人の話し方はわかりやすいのか、なぜこの文章はわかりやすいのか、そんな観点から物事を見てみるのもおすすめです。

他にもこの表現力には原稿用紙の書き方や誤字脱字といった要素も含まれています。

4.論点の独創性

最後に論点の独創性を挙げておきます。
課題文の要約からどの論点に光をあてるかは回答者の背景知識の有無やセンスが問われる部分です。添削をしていて思うのですが、ハッとするような文章を書いてくる方は少ないです。その分、独創的な視点で小論文を書くことができれば他の受験生と大きな差がつけられます。

ただし、気をつけていただきたいのは決して論点の独創性が合格への必要十分条件ではないということです。他の受験生と違う文章を追求するあまり、課題文から読み取れるテーマを逸脱してしまっていたり、客観的な根拠のない文章を書いてしまうと大幅減点です。

あくまでプラスアルファとして考えておくのがいいでしょう。
独創性がなくても十分合格できます。

身に付ける優先順位とおすすめ参考書のご紹介

本とメガネ

以上の4つの力のうち、まず身につけるべきは1の読解力と2の論理構成力です。

小論文と面接だけだから現代文の勉強を怠っていると1の読解力はつきません。
私の有料生徒にも必ず現代文の要約の課題を出し、添削を通して読解力と要約力を身につけてもらっています。

読解力や要約力は選択問題を回答する力とは必要な観点が異なります。

読解力や要約力を身につける、おすすめの参考書を載せておきますので参考にしてみてください。

2の論理構成力を身につけるにはまずは一つの型を身につけるのがおすすめです。
型を身につけるといったらやはり樋口先生の本が有名です。
おすすめのものを紹介しておきます。参考にしてみてください。
基本的にはどの参考書にも型の記述がありますが、それを型の習得をメインにしているものを紹介します。

いかがでしたか?

小論文の評価される4つの力について説明させていただきました。

  1. 課題文やテーマの読解力
  2. 問題提起〜結論までの論理構成力
  3. 文章表現力
  4. 論点の独創性

身に付ける力の優先順位は上記の順番です。
より個別具体的な相談や小論文の添削は有料にて承ります。
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旅する教育者代表「木村 公紀」

旅する教育者代表「木村 公紀」

マニラ日本人学校卒業後、私立桐朋高校に進学。帰国子女入試と一般入試の両方を経験する。その後慶應義塾大学法学部政治学科に進学。大学時代は4年間集団塾講師のアルバイトを続ける。新卒で人材教育の会社に就職後、2社目の会社で個別指導塾の塾長を経験。社内最速昇進記録を持つ。配属された校舎を毎年120名以上の生徒を集める人気校にしたのち、生徒一人ひとりと向き合い「できない」を「できる」に変える教育をしたいという志のもと独立。旅する教育者の代表を務める。
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