教育者かそれとも平凡な営業マンか?|元塾長が教える、失敗しない個別指導塾の選び方【2】

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こんにちは。
オンラインプロ家庭教師の旅する教育者です。

今回は前回書いた内容をさらに突っ込み、1人ひとりにあわせたカリキュラムを作るというのはどういうことか?というのを詳しく見ていきます。

失敗しない個別指導塾の選び方とは

目次
1.カリキュラムを我が子にあわせて組んでくれるか【前回】
2.我が子の状況にあわせて必要量を提案してくれるか【今回】

3.講師との相性を選べるか【次回】

2.我が子の状況にあわせて必要量を選べるか

英語週1回、数学週1回は本当に効果的なのか?

これは1.カリキュラムを我が子にあわせて組めるかとリンクしてくる内容なのですが、
お子さんの状況によってどの科目をどれくらい受講すると効果的なのかは変わってきます。

多くの方は固定観念的に
塾に通うなら英語、数学週1回ずつと考えがちですが
本当にそれが効果的かどうかは考えてみる必要があるかもしれません。

例えば中学2年生で1次関数分野を不得意に感じ、
塾に通いたいと考えた場合、原因は1次関数分野にない場合がほとんどです。

つまり、1次関数が出来ないことが原因なのではなく
1次関数に必要な知識の欠落が原因であるほうが多いのです。

いまできないことを塾で補おうとするのは場当たり的に薬で痛みを散らすことに近く、
本当の意味での根本解決にはなりません。

虫歯が痛いからと痛み止めを飲むようなもので、根本的な虫歯の解消にはつながらないわけです。

根本的な問題解決という観点からみると、例えば先ほどの1次関数の例で言うと
「文字式の計算⇒方程式の計算⇒連立方程式の計算⇒比例⇒1次関数」の順番で勉強し直すことが効果的です。

ただし、このカリキュラムを実現するには週1回の授業ではどうやっても無理なわけです。

なぜならば、学校の授業は止まってはくれないから。

文字式の計算からやり直しているうちに、テスト範囲はどんどん広がり、
テスト範囲を終わりきらずにテストに突入することになります。

そうなると、当然テストの結果は上がりませんよね。

人がやる気を出すときの一番の薬は結果が出ることです。

いかに最速最短で結果を出す環境を整えてあげるかが子どものやる気を持続させ、
点数の大幅アップと高いレベルでの安定に結びつけるためには大切なことなのです。

このケースで言うと
私なら数学週2回、英語週1回
ないし数学週3回を提案します。

予算の関係上、週2回しか来れないならば、たとえ英語は犠牲にしても数学週2回です。

一気に全ての科目を全部できるようにしようとするのは、
理想的ではありますが現実的ではありません。

まずはひとつの科目に絞って、短期間で大幅成績アップと自信を手に入れる。
そのためには、その科目の性質上英語よりも数学のほうが効果的です。

そして、数学で結果が出たら英語週2回、数学週1回に切り替えていけばよいのです。

こういう

必要量に応じた
受講科目、受講日数の弾力的な運用が
個別指導塾の魅力の一つ

です。

教育者かそれとも平凡な営業マンか?

そしてこのような弾力的な運用ができるかどうかはその1で挙げた5つの視点に加え、
塾長が生徒本位に考えられるかどうかがとても大事になってきます。

同じ提案でも、生徒のことを考えた上での提案と自身の営業成績が1mmでも脳裏によぎった提案は伝わるものが圧倒的に異なります。

個別指導塾の塾長は大抵社員1人で1つの校舎を運営しているため、校舎の数字はダイレクトに塾長の評価基準となります。

塾によっては毎日数字の報告をさせられ、到達していないと詰められる会社もあるようです。(営業会社のようですね)

もちろん会社を経営していく上で数字はとても大事です。しかし、お客さんが数字に見えたらお終いです。
特に教育においては子どもがお金に見えたらおしまいです。

自校舎の数字のためではなく、教育者としての誇りを持ち、目の前の生徒の現状と理想のギャップからいま考えうる最高の提案ができるかどうか。

必要な生徒に必要な量を提案するというのは頭で考えれば当たり前ですが、実は難しいことでもあるのです。

「先生、この子のためならお金はなんとかしたいと思います。先生が思う最高のプランを提案してください。」と言われ、どんなに校舎の数字が悪くとも、どう考えても週1回で十分だと思える生徒には週1回と提案できるかどうか。

もしくは、塾が必要なさそうなら必要ないとさえ伝えられるかどうか。

これは教育者であるか、平凡な営業マンに成り下がるかのせめぎ合いです。

雇われている身であるならば数字を出すことは最低限の責務です。
しかし、短期的ではなく中長期的に見ると、生徒本位の提案ができるかどうかが一流とその他を分けるような気もします。

実際、塾長時代には面談に来て、生徒本位の提案をした結果、集団塾を選択した(というか勧めた)ご家庭からはその後ご紹介をいただいたことがありました。

目標ではなく、目的に従順であること。
それが教育者には特に求められるのではないかと思うのです。

いかがでしたか?

同じ仕組みでも成績アップ者が多い塾と少ない塾があるのはなぜでしょう。
生徒数の多い塾と少ない塾があるのはなぜでしょう。

それはやはり人の質であり、その中心にある塾長の力量次第なのです。

信頼できる塾選びは信頼できる塾長選び

このように言っても過言ではありません。

生徒本位の提案ができる、一流のマインドを持つ教育者から学べたら最高ですよね。

そのためにも、我が子に応じた必要量を提案してくれているかどうかという視点で是非話を聞いてみてください。

編集後記

昨日は久しぶりに前職の先輩方と一緒に野球をしてきました。

どの業界でも同じだと思いますが、やはり成績を上げている人と上げていない人の違いは考え方の違いだなとつくづく思いました。
自分ももっともっと精進して生徒へ還元せねば。

今日は最近、月に一度は行っているクラシックコンサート。
感性を磨いてきます。

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旅する教育者代表「木村 公紀」

旅する教育者代表「木村 公紀」

マニラ日本人学校卒業後、私立桐朋高校に進学。帰国子女入試と一般入試の両方を経験する。その後慶應義塾大学法学部政治学科に進学。大学時代は4年間集団塾講師のアルバイトを続ける。新卒で人材教育の会社に就職後、2社目の会社で個別指導塾の塾長を経験。社内最速昇進記録を持つ。配属された校舎を毎年120名以上の生徒を集める人気校にしたのち、生徒一人ひとりと向き合い「できない」を「できる」に変える教育をしたいという志のもと独立。旅する教育者の代表を務める。
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