シカゴ近郊の小中学生のスポーツ事情

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ユヅスコです。前回はアメリカの現地校のよいところを親目線でお伝えしました。今回は日本でも最近話題になることも多い部活動とも絡めて、私が住むシカゴ近郊におけるスポーツ事情をお伝えしたいと思います。

まずはPark Districtや地域のスポーツ団体HPをチェック

何かスポーツを習わせたいなぁ、と思ったら、まずは居住地のPark DistrictやSports AssociationのWebsiteを確認します。Park Districtは地域のレクリエーション施設やスポーツ&アートプログラムを管轄しており、年齢・レベル別に様々なスポーツプログラムを提供しています。District内外では料金も違うため、自宅がどのPark Districtの管轄なのかの確認が必要です(市町村とは別の括りになります)。ほとんどのプログラムが初心者~ハウスリーグレベル(後述)を対象としています。

シーズン制&掛け持ちOK(多数派)!

日本だと、例えば中学でバスケ部に入部したら、通年、もしくは在学中はほぼバスケ一色の部活生活になる、というのが一般的だと思います。しかし、アメリカでは、各スポーツにメインシーズンがあり、シーズン毎にスポーツを変えて楽しむ、というスタイルが定着しています。もちろんずっと同じスポーツを続ける子も多いのですが、その場合も練習量が少なくなるマイナーシーズンは、他のスポーツもやる、という子供が多いです。
様々な種類のスポーツをやることで、身体能力や筋肉のバランスをとったり、メインのスポーツで壁にぶつかった時の心の安定感を保つこともできます。

ハウスとトラベル トライアウトはとてもシビア

サッカーや野球などのチームスポーツの場合、大きく分けてハウスリーグとトラベルリーグという二つのリーグが存在します。ハウスリーグは、誰でもWelcome!のゆるいリーグ。コーチも選手の父兄が務め、週1~2回の練習と土日が試合、というスタイルです。対戦相手も同じスポーツクラブのチームや近隣のハウスリーグのチームになります。拘束時間が短いため、他の習い事との調整も可能です。初心者の場合はここからスタートになります。
トラベルリーグは、トライアウトと言われる「選抜試験」に合格した者だけが入れる、競争を目的としたアグレッシブなリーグです。トライアウトは毎シーズン毎に行われ、前年は入れていたとしても、今年も入れる、という確証はありません。毎回トライアウトに受かることが絶対条件です。トラベルというだけあって州外で行われる大会に遠征に行くことも多く、親子で大移動します。コーチもプロ又はセミプロ級で、本職または兼業されている方が多いです。アシスタントコーチは選手の父兄がやりますが、皆、かなりの経験者です。スポーツにもよりますが、練習が平日3-4日、土日は両日試合、で拘束時間が長くなるため、他の習い事との調整は難しくなります。料金もハウスリーグよりもかなり高額になります。
ハウスとトラベルには大きな溝があり、日本の部活のように「まずは初心者で入って、数年かけて育てる」という概念はありません。ハウスでずっと頑張っていても、トラベルにすんなり行けるとは限りません。それぞれの学習能力、上達速度にもよりますが、トラベルチームに入るためには、個人レッスンや夏の集中キャンプなどでトライアウトに受かる実力を別途養う必要があったりします。

実戦重視、全員レギュラー?

私が学生の頃、日本の学校の部活では日々の練習時間が非常に長かった、と記憶しています。しかし、試合は年に数えられるほど。また、チームスポーツの場合、学校単位で代表が1~2チームしかなく、レギュラーはほとんど上級生と数名の下級生(経験者)で構成されていました。私の個人的感覚では、アメリカでは、練習:実戦=3~5:5~7くらいで、日本と比べて圧倒的に練習時間が短く、実戦を重視していると感じられます。また、学年・レベルごとにチームが複数編成されるため、レギュラーとして活躍できるチャンスが広がります。

中学の部活はトライアウトに注意

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中学になると日本と同様に部活があります。シーズン制で、季節ごとに実施するスポーツが変わり、大体2~3か月のタームです。近隣の中学校と試合を行います。中学の部活も一部トライアウトがあります。トラベルチームのトライアウトに比べたら選考は厳しくありませんが、学校外のハウス・トラベルチーム等の兼務者も多く、経験者が多いサッカーやバスケなどは競争率が高くなります。知り合いのお子さんは中学時代に渡米し、アメリカでの部活動に夢を膨らませていましたが、トライアウトになかなか受からず、スタート地点に立つのに苦労されていました。

先輩・後輩関係の意識はほとんどなし

現時点では中学生レベルのチームスポーツしか経験していませんが、先輩後輩関係を意識することがほとんどありません。純粋に実力主義です。私がはっきりわかるのは子供達がやっている水泳とホッケーのみですが。スイムチームは5~6学年、ホッケーは2~3学年が同じチームにいるのですが、隔たりはありません。実際、ホッケーチームのキャプテンは下級生が選出されましたが、全員一致で「彼が一番上手で、リーダーシップもあるから。」と納得していました。
日本に帰った時にちょっと苦労しそうだな、、と思っています(汗)。

お父さんの参加率

子供達のスポーツの練習や試合に行って、まず驚くのは父親の参加率がとても高いこと。送迎も両親が協力して行っており、子供が複数いる場合、担当を決めているご家庭もあります。特にシカゴ近郊でのアイスホッケーの場合、父親が経験者である割合が高く、試合は両親揃って観戦している家族が多いです。おじいちゃん、おばあちゃんもよくいらっしゃいます。練習であっても、最初から最後まで、コーチの指示や子供のスキルの上達具合をしっかり確認しているお父さんも多いです。リンクサイドでビール片手に談笑しつつ、でも眼はとっても真剣。アシスタントコーチを務めるお父さん方は、働く傍ら、平日3から4日の夕方から夜にかけて、ほとんど休まず指導してくださっています。
日本とアメリカの働き方の違いも影響していると思います。

大学進学を見越したスポーツの選択

日本でもスポーツに秀でた学生はスポーツ推薦で大学や高校に入学できます。ただし、スポーツによって高校・大学進学を得ようと考えている学生の割合は、受験生全体でみるとそこまで高くないと思います。一方、アメリカでは、ほとんどの家庭が、大学進学を見据えてスポーツを選択しています。小学校低学年のうちは、子供の適正を確かめるため、様々なスポーツをやらせたり、子供が興味あるものをやらせることが多いです。しかし、中学生頃になると、体格や適性をチェックし、その中から主軸となるスポーツに特化させていきます。選択条件はずばり、「大学進学に有利になるか」です。アメリカ等での大学進学の際、学業成績とともにスポーツや芸術分野の実績は非常に大切な評価ポイントの一つとなっているようです。高校の部活、その中でも1軍で活躍できるか、クラブチームのトップレベルの選手になれるか、競争相手が少ない競技ならねらい目、など、大学進学及び奨学金獲得のためにシビアに考えます。例えば、友人の中学生のお子さんは、体操を頑張っており、とても優秀。しかし、友人曰く「高校に体操部がなく将来に結びつかない」ということで、別のスポーツのレッスンをすでに開始しました。また、ある友人は、お子さんの個人レッスンコーチとして、進学予定の高校のコーチを雇っており、コネクション作りも計画的に実行しています。
本人の嗜好も大切ですが、大学進学を見据えて実績を残せるか。この点を重視する点が日本と少し異なると思います。

以上、私が感じるアメリカのスポーツ一般論でした。私もすべてのスポーツを知っているわけではありませんので、スポーツ毎に事情は少しずつ異なるかもしれません。次回は水泳とアイスホッケーに特化したお話をしたいと思います。

いかがでしたか?

ユヅスコさんもご活用いただいている、オンライン家庭教師旅する教育者代表の木村です。日本の部活動とはずいぶんと違う様子が伺えるのではないでしょうか。私も中学時代は海外で過ごし現地の野球リーグに参加しましたが、トライアウトでチーム分けがなされ、毎週土曜日に試合が行われていました。面白かったのは日本のように集合時間が決まっているわけではなく、試合の時間が決まっていて各々自分のペースでグラウンドに来てアップをすることでした。

日本の少年野球に慣れていた自分にとってはカルチャーショックでしたが、頑張りをダイレクトに見ていてくれ、試合のスタメンにも随時その選手の頑張りが反映されたのが非常に新鮮でした。

さて次回はユヅスコさんのお子さんが頑張っているアイスホッケーについてもっと詳しくかいてくださるようです。ぜひ次回もお楽しみに。


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ユヅスコ

ユヅスコ

シカゴ郊外で夫と息子二人と暮らす元フルタイムワーキングマザー、現新米ホッケーマム。ノーと言わない日本人をモットーに、来るものはとりあえず何でも、流れに逆らわず試しています。マンガの守備範囲は広く、たまにアメリカ生活で役立っています。
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